【代表ブログ】すべての工事は「人」から始まる|適正価格が「品質」と「未来」を守る理由

1.すべての工事は「人」から始まる

発注者の皆様が工事を計画される際、優れた「品質」、厳格な「工期遵守」、そして万全な「安全性」を求められるのは当然のことです。しかし、これら全てを実現する基盤が、現場で働く「職人」一人ひとりの技術と熱意にかかっているという事実は、時に見過ごされがちです。


今、その基盤が大きく揺らいでいます。


2. データで見る、建設業界の厳しい現実

新聞やテレビで報じられている通り、建設業界の労働者不足は極めて深刻です。その大きな原因の一つが、労働に見合っているとは言い難い賃金体系にあります。


ここで、一般的なサラリーマンの収入と比較してみましょう。


国税庁の調査(令和5年)によると、サラリーマンの平均年収は約664万円です。 年間の実働日数を235日(年間休日130日と仮定)で割ると、その平均日当は「28,255円」となります。


一方、国土交通省が示す公共工事の目安単価(令和5年度)を基にした、全国の職人の**平均日当は「22,227円」です。


その差は、1日あたり6,028円。 年収に換算すれば約141万円もの格差が生じています。



この経済的な現実が、若者の業界離れを加速させ、熟練の職人が持つ貴重な技術の承継を困難にしているのです。



3. 「安さ」の裏側にある、発注者様の隠れたリスク

「職人の待遇は重要だが、発注側としては少しでもコストを抑えたい」というのが正直なところかもしれません。 しかし、過度な価格競争と値引き要求は、巡り巡って発注者様ご自身の大きなリスクとなって跳ね返ってくる危険性をはらんでいます。


リスク1:品質の低下

不当に低い工事費では、十分な技術を持つ職人を集められません。結果として、経験の浅い作業員が現場に入り、見えない部分での手抜き工事や施工不良に繋がる恐れがあります。その場は安く済んでも、数年後に大規模な補修が必要となり、結果的に何倍ものコストがかかるケースも少なくありません。


リスク2:工期の遅延

「安く請け負ったものの、職人が確保できず工事が進まない」というのは、人手不足の現代において頻発するトラブルです。工期の遅れは、その後の事業計画全体に多大な影響を及ぼします。


リスク3:安全性の欠如と企業の評判低下

無理なコスト削減は、安全対策の軽視に直結します。万が一、現場で事故が発生すれば、工事がストップするだけでなく、発注者様の企業の社会的信用にも傷がつく可能性があります。



4. 結論:適正価格は、未来への「投資」です

私たちは、この負のスパイラルを断ち切りたいと考えています。そのためには、工事を依頼される発注者様の深いご理解とご協力が不可欠です。


職人に対し、その技術と労働に見合った「適正な価格」をお支払いいただくこと。それは単なるコスト増ではありません。


それは、工事の「品質」と「安全」を確保し、ひいては皆様の「資産価値」を守るための最も確実な「投資」です。


適正な報酬は職人の誇りとモチベーションを高め、最高のパフォーマンスを引き出します。その結果として生まれる高品質な施工は、必ずや発注者様にご満足いただけるものになると確信しております。


私たち施工業者も、技術力の向上と経営努力を怠ることなく、皆様の期待に応えてまいります。 どうか、目先の価格だけでなく、5年後、10年後を見据えたパートナーとして、建設業界の持続的な発展のため、皆様のお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。