皆さん、こんにちは。
原状回復工事を手掛けているはなまる建設です。
賃貸住宅や、店舗の移転などでテナントを退去する場合に必要な原状回復工事について、
初めての経験の場合、詳しい内容や注意するポイントを知らない方も多いのではないかと思います。
最低限の知識を理解しておくことで、
退去時に大きなトラブルに巻き込まれる心配がありません。
今回は原状回復工事を行う際の注意点ついて
解説していきたいと思います!
■原状回復工事とは
賃貸物件から退去する際に建物の状態を借りる前の状態に戻す工事で、
民法621条によって定められています。
『(賃借人の原状回復義務)賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、
賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。
ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。』
引用:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
原状回復工事の詳しい内容については、
下記のコラムで詳しく説明しておりますので、合わせてご覧ください。
原状回復工事って何? 内容や必要性、負担の範囲、メリットについて解説!
■テナントと賃貸住宅の原状回復工事の違い
テナントを退去する場合と賃貸住宅を退去する場合では、
原状回復の義務がある範囲や内容が異なります。
・テナントの場合
テナントとは、店舗や事務所で使用される賃貸物件のことであり、この場合、経年劣化も含めて借りた時の状態に戻す必要があります。
設備や内装が残っていると、
次の入居者の業種が限定されてしまうので、
幅広い業種で使いやすい状態に戻して機会損失を防ぐために決められています。
飲食店で利用していた場合の厨房設備、
ショップで利用していた場合の什器、
事務所で利用していた場合のデスクや什器など
すべて撤去しなければなりません。
また、床材やクロスを剥がす、間仕切りや照明器具の撤去、電気、ガス、水道などの配管撤去、テーブルやデスク、ロッカーなどの家具も
すべて撤去して元通りの空っぽの状態に復元します。
中には、オーナーと借主が協議して、
設備やクロス床材などをそのまま残した「居抜き物件」もあります。
これは、新しく設置した設備や内装を残すことで、
資産価値が上昇したり、
次の入居者の需要が増えることが想定されたり
といった場合に用いられます。
特に飲食店には居抜き物件が多い傾向があります。
厨房機器は一から揃えると高額なので、
居抜き物件に絞ってテナント探しをしている確率も高いため、
オーナーにとっても大きなメリットがあります。
居抜き物件から退去する場合は、
全てを撤去するのではなく、
元の居抜きの状態に戻すところまでで問題ございません。
・賃貸住宅の場合
「経年劣化」や、常識的な使用方法による「通常摩耗」における修繕義務はありません。
借主に原状回復義務が生じるのは、
故意や不注意によるキズや汚れがついたが場合で、
具体的には下記のような内容です。
・壁や床の傷、汚れ、落書きなど・・・
家具を引きずって付いた傷や、物を落とした凹み、付いた汚れを放置したことによるシミ、子どもの落書きは修繕する必要があります。
・室内の喫煙による焦げや汚れ・・・
喫煙によって生じたクロス、建具のヤニ汚れや変色、臭いの付着、灰を床に落として焦げ跡がついてしまった場合は修繕する必要があります。
・網戸や建具の傷や破損・・・
建具刃物をぶつけてしまうなど傷や破損の起きやすい箇所です。
その中でも網戸については、経年劣化であっても原状回復を特約としている場合があるので確認しましょう。
・玄関錠(シリンダー)・・・
不注意で紛失した場合、
交換費用が借り主負担となる場合があります。
・明らかな清掃不足による水回りの水垢・・・
清掃や手入れ不足による汚れや水垢の蓄積は、
管理義務不足と見なされる場合があります。
・室内のカビやシミ・・・
エアコンの水漏れや結露を拭き取らずに放置していた場合、
結露防止の配慮のない生活をしていた場合、
また、雨が吹き込んでしまって床や壁が変色した場合など
、正しい使い方をしていなかったと判断されることがあります。
■原状回復工事を行う際の注意点
賃貸住宅の場合は、ガイドラインを理解しましょう。
国土交通省では、賃貸住宅退去時のトラブルを防止するための
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を設けています。
これは、過去の裁判の判例などを集約したものです。
詳しい内容については下記サイトをご覧ください。
その他、原状回復工事を行う際の注意点は下記の通りです。
・依頼先について
◆指定業者以外へ工事を依頼できるか
物件のオーナーは自分の信頼のおける業者をあらかじめ指定しているケースが大半です。
自分で工事業者を決めたい場合や相見積もりをとりたい場合は、
早めにオーナーと交渉しておきましょう。
また、業者の予定がいっぱいで退去日までに希望する日程で工事予定が取れない場合も考えられます。
・工事スケジュールについて
◆工事可能な時間帯や曜日を確認する
ビルの中にあるテナントの場合、
周囲のテナントへの配慮が必要で、
営業時間外の夜間工事や曜日の指定があるケースもあります。
◆退去日までに原状回復を完了できるか
退去日までに原状回復工事が終わっていない場合、
追加で賃料が発生する可能性があります。
・賃貸契約の内容について
◆原状回復の範囲
賃貸契約の特約内容が記載されているケースもあるので、
契約内容を確認し、不明点は確認しておきましょう。
◆敷金の取り扱い
敷金の取り扱いが原因でトラブルに発展するケースも多いので、
敷金から原状回復費用が清算されるケースを確認しておきましょう。
・見積内容について
◆見積範囲
原状回復義務があるのは、専有部分のみです。
見積の中に共有部分であるエレベーターや廊下、トイレなどの修繕費用が含まれていないか確認しましょう。
◆見積面積と賃貸契約書の床面積に相違がないか
図面を元にして見積書作成している場合、
賃貸契約書に記載されている床面積と誤差がある場合があります。
見積書の面積の方が広い場合は減額交渉が可能です。
◆見積価格は適正か
撤去するものの量や入居後に行った工事によって金額は変わります。
一般的な費用の相場から逸脱していないか確認しましょう。
費用の目安については次の項目で説明します。
■原状回復工事の費用相場
原状回復工事の費用の目安は下記の通りです。
◆テナントの費用相場
・10坪未満のオフィス・・・2万円/坪
・50坪未満のオフィス・・・3~5万円/坪
・50坪以上のオフィス・・・5~10万円/坪
◆賃貸住宅の費用相場
・ハウスクリーニング費用
ワンルーム・・・2~3万円
1LDK・・・3~4万円
2LDK・・・4~5万円
3LDK・・・5~7万円
4LDK以上・・・7万円~
・クロス貼替費用・・・750円~1500円/㎡(クロスのグレードによる)
・床や壁の穴あき補修・・・3万円/ヶ所
・クッションフロア貼替・・・2500円~3500円/㎡
・フローリング貼替・・・7500円~1万円/㎡
・網戸貼替・・・2000円~3000円/ヶ所
・玄関シリンダー交換・・・1万円~5万円(使用している鍵の種類による)
・カビ落とし・・・2万円
■まとめ
原状回復工事を依頼する際や実施する際の注意点について紹介しました。
退去時は行き違いや確認不足によってトラブルが発生しやすいので、気を付けましょう。
トラブルを防止するためには、
入居前の写真や記録を残しておくことや
国交省のガイドラインに掲載されている「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト」を利用して、借主、貸主でサイン押印しておくことも有効な方法です。
また、オーナー任せにせず、
借主自身が信頼のおける業者を探して見積作成を依頼することも大切です。
適正な価格や必要な補修内容を見極める役に立つと考えられます。
原状回復工事に特化した会社で、
あらゆる工事に対応しています。
電気工事や給湯工事、消防設備工事、内装工事、傷補修工事、ハウスクリーニングなど全て自社施工しているため、
スピーディな対応が可能で、
お客様のご希望をダイレクトに反映しやすい体制が整っています。
それぞれの資格を持ったスペシャリストによる
細部までこだわった施工が強みで
お客様のお困りごとを解消することができます。
また、原状回復工事を通じて
資産価値を向上、維持するさせるための提案も可能です。
きめ細かな原状回復工事によって、
清潔感のある空間に戻すことができるため、
次の入居者が決まりやすく、入居者募集の広告宣伝費や空き物件の維持費などのランニングコストを抑えることができます。
はなまる建設の原状回復工事について、より詳しく知りたい方は下記のページもご参照ください。
【はなまる建設ホームページ】
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